エクセルで切り捨てするには、ROUNDDOWN関数を「=ROUNDDOWN(A2,0)」のように使います。小数点以下を切り捨てるなら桁数0、100円未満なら-2です。INTやTRUNCも同じ結果になりますが、マイナスの数ではINTだけ結果が変わります。
この記事でわかること
- ROUNDDOWN関数の書き方と桁数の早見表
- ROUNDDOWN・INT・TRUNCの違いと選び方
- 100円未満・千円未満の切り捨て方
- 時刻を15分単位で切り捨てる方法
- 表示形式では切り捨てられない理由
消費税の1円未満を切り捨てる。勤務時間を15分単位で切り捨てて集計する。経費の精算で100円未満を切る。切り捨ては、お金と時間を扱う表でよく出てくる処理です。
エクセルには切り捨てに使える関数がいくつかあり、ふだんはどれを使っても同じ結果になります。違いが出るのはマイナスの数と、時刻のような「単位」で切りたいときです。
ROUNDDOWN関数で切り捨てる
エクセルの切り捨てとは、指定した桁より下の数を、大きさに関係なく捨てる処理です。いちばん使いやすい関数はROUNDDOWNでしょう。
- 結果を出したいセルに「=ROUNDDOWN(」と入力する
- 切り捨てたい数値のセル(例:A2)を選び、「,」を入れる
- 桁数(例:0)を入れて「)」で閉じ、Enter
Microsoft サポート「ROUNDDOWN 関数」では、書式は「ROUNDDOWN(数値, 桁数)」で、数値を指定された桁数で切り捨てる関数と説明されています。
| 桁数 | 意味 | 結果 |
|---|---|---|
| 2 | 小数第3位以下を切り捨て | 12,345.67 |
| 1 | 小数第2位以下を切り捨て | 12,345.6 |
| 0 | 小数点以下を切り捨て | 12,345 |
| -2 | 100円未満を切り捨て | 12,300 |
| -3 | 千円未満を切り捨て | 12,000 |
桁数の考え方は、四捨五入のROUND関数と同じです。残したい小数の桁数を書き、整数より上の位で切るときはマイナスの数を入れます。
ROUNDDOWN・INT・TRUNCの違い
切り捨てに使える関数はROUNDDOWNのほかに、INTとTRUNCがあります。プラスの数ならどれも同じ結果ですが、マイナスの数ではINTだけ答えが変わります。
| 関数 | 数式 | 結果 | 動き |
|---|---|---|---|
| ROUNDDOWN | =ROUNDDOWN(-4.3,0) | -4 | 0に近いほうへ |
| TRUNC | =TRUNC(-4.3) | -4 | 小数部を消す |
| INT | =INT(-4.3) | -5 | 小さいほうの整数へ |
Microsoft サポート「TRUNC 関数」にも、TRUNC(-4.3)は-4、INT(-4.3)は-5を返すと書かれています。INTは「その数以下で最も近い整数」を返すため、マイナスでは0から離れる側へ動くわけです。
| 場面 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 金額・数量を切り捨てる | ROUNDDOWN | 桁数を指定でき、マイナスも見た目どおり |
| 小数点以下だけ消したい | TRUNC | 桁数を省略でき短く書ける |
| 小さいほうの整数がほしい | INT | 余り(MOD)と組で使う計算 |
返金や値引きのようにマイナスの金額が混じる表で、INTを使うとマイナス側に1円大きくなります。迷ったらROUNDDOWNにしておけば、マイナスでも「端数を捨てる」という見た目どおりの結果です。
金額の端数を切り捨てる例
お金の計算では、小数点以下や100円未満を切り捨てる場面がよくあります。桁数を替えるだけで、どの位でも切れるので便利です。
| やりたいこと | 数式 | 例 |
|---|---|---|
| 消費税の1円未満を切り捨て | =ROUNDDOWN(A2*0.1,0) | 1,234円→123円 |
| 税込価格の1円未満を切り捨て | =ROUNDDOWN(A2*1.1,0) | 1,234円→1,357円 |
| 100円未満を切り捨て | =ROUNDDOWN(A2,-2) | 12,345円→12,300円 |
| 割り算の商を整数で | =ROUNDDOWN(A2/B2,0) | 25÷6→4 |
割り算の商の整数部分は、QUOTIENT関数でも同じ結果が出ます。マイナスの数でもROUNDDOWNと同じく0に近いほうへ切るので、どちらを使ってもかまいません。
端数処理を決めるときの確認
- 1行ごとに切り捨てるか、合計してから切り捨てるか
- 取引先や社内規程で端数の扱いが決まっていないか
- マイナスの金額(返金・値引き)が混じらないか
1行ごとに切り捨ててから合計すると、合計してから切り捨てた額より小さくなることがあります。表の中ではどちらかに統一してください。
時刻を15分単位で切り捨てる(FLOOR.MATH関数)
勤務時間を15分単位で切り捨てるように、決まった単位で切りたいときはFLOOR.MATH関数を使います。書式は「FLOOR.MATH(数値, 基準値, モード)」です。
| やりたいこと | 数式 | 例 |
|---|---|---|
| 15分単位で切り捨て | =FLOOR.MATH(A2,”0:15″) | 8:52 → 8:45 |
| 30分単位で切り捨て | =FLOOR.MATH(A2,”0:30″) | 17:58 → 17:30 |
| 5円単位で切り捨て | =FLOOR.MATH(A2,5) | 128 → 125 |
| 1ダース(12個)単位で切り捨て | =FLOOR.MATH(A2,12) | 50 → 48 |
Microsoft サポート「FLOOR.MATH 関数」によると、指定された基準値の倍数のうち、最も近い値に数値を切り捨てる関数です。
結果が小数で表示されたら、セルの表示形式を「時刻」に変えましょう。出勤時刻を切り上げたい(8:52→9:00)ときは、反対のCEILING.MATH関数を使います。
同じ公式ページによれば、小数点以下の値を持つ負の数は、既定で0とは逆の方向の整数に丸められるとのことです。3つめの引数「モード」に0以外を入れると、0に近いほうへ切り捨てる動きに変わります。
表示形式では切り捨てられない
「ホーム」タブの「小数点以下の表示桁数を減らす」や、セルの書式設定で桁数を減らす方法は、切り捨てではなく四捨五入で表示されます。12.5を整数で表示すると、見た目は「13」です。
| やり方 | 12.5の見え方 | セルの中の値 |
|---|---|---|
| 表示形式で桁を減らす | 13(四捨五入) | 12.5のまま |
| =ROUNDDOWN(A2,0) | 12 | 12 |
表示形式には「切り捨てて見せる」設定がありません。切り捨てた数を見せたいなら、関数で値そのものを切り捨てる必要があります。
元の値を消したくないときは、となりの列にROUNDDOWNの数式を入れておくと便利です。元のデータと切り捨て後の数を並べて確かめられます。
よくある質問
Q1:小数点以下を切り捨てて整数にするには?
「=ROUNDDOWN(A2,0)」か「=TRUNC(A2)」と書きます。プラスの数ならINT関数(=INT(A2))でも同じ結果です。
マイナスの数が入るなら、INTは避けてROUNDDOWNかTRUNCを選んでください。
Q2:千円未満を切り捨てて「千円」単位で表示したい
「=ROUNDDOWN(A2,-3)/1000」とすると、1,234,567円が1234(千円)になります。
切り捨てだけなら「=ROUNDDOWN(A2,-3)」で1,234,000円です。表の見出しに「単位:千円」と書いておくと、読み手が迷いません。
Q3:ROUNDDOWNで切り捨てたのに、結果が1ずれることがあります
元の値が計算結果のとき、見た目よりほんの少し小さい数になっていることがあります。表示形式で桁を多くすると、たとえば「11.9999999」のように見えるはずです。
切り捨てる前にROUNDで小さな誤差を消すと安定します。「=ROUNDDOWN(ROUND(A2,5),0)」のように、十分に細かい桁で一度丸めてから切り捨ててください。
Q4:時間の合計を15分単位で切り捨てたい
合計した時間に「=FLOOR.MATH(A2,”0:15″)」を使います。結果のセルは表示形式を「[h]:mm」にすると、24時間を超える合計も正しく表示されます。
給与の計算に使う場合は、切り捨ての単位が就業規則と合っているかも確かめておきましょう。
Q5:切り捨てと切り上げを1つの式で切り替えられますか?
IF関数で分けられます。たとえばB2が「切り上げ」なら「=IF(B2=”切り上げ”,ROUNDUP(A2,0),ROUNDDOWN(A2,0))」です。
ROUNDUP・ROUNDDOWN・ROUNDの3つは、引数の並びがすべて同じです。関数名だけ替えれば書き換えられます。
まとめ
エクセルの切り捨ての要点
- 基本は「=ROUNDDOWN(数値,桁数)」で、0で小数点以下、-2で100円未満を切る
- TRUNCも同じ結果。INTはマイナスの数で1小さくなる
- 時刻や5円単位で切るならFLOOR.MATH
- 表示形式は四捨五入で見えるので、切り捨ては関数で行う
- 1行ごとか合計してからか、端数処理の場所を表の中でそろえる
- エクセルの掛け算|数式の書き方とまとめて掛ける方法・結果が合わないとき
- DATEDIF関数の使い方|年齢・勤続年数の出し方と入力候補に出ない理由
- IF関数の使い方|条件式の書き方と複数条件・空欄判定のつまずき
参考にした公式情報: ROUNDDOWN 関数/TRUNC 関数/INT 関数/FLOOR.MATH 関数(いずれもMicrosoft サポート・2026年10月確認)
※メニューの名称や操作手順はExcelのバージョンにより異なる場合があります。本記事はMicrosoft 365のデスクトップ版Excel(Windows)での操作を前提にした内容です。

