エクセルのシート保護は、「校閲」タブの「シート保護の解除」で外せます。パスワード付きなら入力を求められ、忘れた場合はMicrosoftでも復元できません。解除できないときは、ブックの保護や保護ビューと取り違えていないかを先に確かめます。
この記事でわかること
- Windows・Macでシート保護を解除する手順
- 「解除できない」ときにどの保護がかかっているかの見分け方
- パスワードを忘れたときに現実的にできること
- 解除せずに入力欄だけ編集できるようにする設定
- 保護をかけ直すときに決めておくこと
セルに入力しようとしたら「変更しようとしているセルやグラフは保護されているシート上にあります」と出て、何も打てない。人から回ってきた表や、昔の自分が作った帳票でよく起きます。
外し方そのものは数クリックで終わります。つまずくのは、パスワードが分からないときと、そもそもシート保護ではない別の保護がかかっているときです。
シート保護を解除する手順(Windows・Mac)
シート保護の解除は、保護されているシートを開いた状態で「校閲」タブの「シート保護の解除」を押せば外れます。パスワードが設定されていれば、入力画面が出る流れです。
- 保護を外したいシートのタブをクリックして開く
- 「校閲」タブ→「シート保護の解除」を押す
- パスワードを求められたら入力してOKを押す
Microsoft サポート「ワークシートを保護する」では、「ファイル」→「情報」→「保護」からも解除できるとの案内です。キーボードなら、Alt+Rで「校閲」タブを開けます。
パスワードが設定されていないシートは、入力画面は出ずにその場で解除されます。解除できたかどうかは、ボタンの表示が「シートの保護」に戻っているかで確かめてください。
Microsoft サポート「Mac でワークシートを保護する」によると、Macでも「校閲」タブの「シート保護の解除」から外します。パスワードの入れ方もWindowsと同じです。
同じページには、Excel for Macのパスワードは15文字までという制限も書かれています。Windowsで長いパスワードを付けたファイルをMacで扱うときは、この点に気をつけてください。
シート保護はシート1枚ごとの設定です。5枚のシートが保護されていれば、5枚それぞれで解除の操作が必要です。
どのシートが保護されているかは、「ファイル」→「情報」の「ブックの保護」の欄で一覧できる場合があります。1枚ずつタブを開いて確かめるより早いはずです。
解除できないときは「どの保護か」を見分ける
「シート保護の解除」を押しても直らないなら、かかっているのはシート保護ではない可能性があります。エクセルの保護は何種類かあって、止められる操作がそれぞれ違うためです。
| できないこと・出る表示 | かかっている保護 | 外し方 |
|---|---|---|
| セルに入力・変更ができない | シート保護 | 校閲→シート保護の解除 |
| シートの追加・削除・名前の変更ができない | ブックの保護 | 校閲→ブックの保護を押してオフ |
| 開くときにパスワードを求められる | ファイルのパスワード | 正しいパスワードを入れて開く |
| 上に黄色いバーが出て編集できない | 保護ビュー | 「編集を有効にする」を押す |
| 保存時に別名で保存を求められる | 読み取り専用 | 別名で保存するか、作成者に確認 |
Microsoft サポート「Excel の保護とセキュリティ」では、保護を「ファイル」「ブック」「ワークシート」の3つのレベルに分けて説明しています。いずれも「保護」と呼ばれるので、取り違えやすいところです。
Microsoft サポート「ブックを保護する」によると、ブックの保護がかかっていると、シートの挿入・削除・名前の変更・移動・非表示などができなくなります。
セルには入力できるのに、シートのタブを右クリックしても項目が灰色なら、こちらを疑ってください。「校閲」タブの「ブックの保護」が押された状態になっているので、もう一度押して外します。
メールの添付やインターネットから取ったファイルは、保護ビューで開かれることがあります。Microsoft サポート「保護ビューとは」の説明では、ほとんどの編集機能が止められた読み取り専用のモードです。
黄色いバーの「編集を有効にする」を押せば、ふつうに編集できるようになります。送り主が分からないファイルなら、押す前に中身を確かめる時間を取ってください。
パスワードを忘れたときにできること
シート保護のパスワードを忘れた場合、Microsoftに問い合わせても元に戻してもらえません。前出の「ワークシートを保護する」には、パスワードを忘れた場合、Microsoftが復元することはできないと書かれています。
できることは、次の順で探すのが現実的です。
- 保護をかけた人に聞く:社内の共有ファイルなら、まず作成者か管理している部署へ
- 保護する前のファイルを探す:共有フォルダーの古い版やOneDriveのバージョン履歴
- 中身を新しいブックへ写す:セルが選べる設定なら、コピーして貼り付ける
保護されたシートでも、セルを選ぶことが許可されていれば、範囲を選んでコピーできます。新しいブックに貼り付ければ、保護のかかっていない表として使えます。
ただ、写せるのは見えている値と書式が中心です。数式が非表示に設定されている場合や、入力規則・名前の定義などは作り直しになることがあります。
ネット上には、保護を外すツールや、ファイルの中身を書き換えて外す手順も出回っています。社内のファイルなら、管理している人の了承なしに外すと社内規程に触れるおそれがあるため、先に1〜2の方法を当たるのが筋です。
シート保護はセキュリティ機能ではない
- 公式にも「ワークシートレベルの保護は、セキュリティ機能を意図したものではない」とある
- 役目はうっかり書き換えるのを防ぐこと
- 見られたくないデータは、ファイルのパスワード(開くときのパスワード)で守る
この文はExcel の保護とセキュリティのページに載っています。給与や個人情報のように本当に守りたい表を、シート保護だけで配らないようにしましょう。
解除せずに入力欄だけ編集できるようにする
毎回解除して入力し、また保護をかけ直している表なら、入力する欄だけロックを外してから保護する形に作り替えるのが近道です。見出しや数式は守ったまま、入力欄だけは自由に書き込める表になります。
エクセルのセルは、最初からすべて「ロック」がオンの状態です。シート保護は、このロックがオンのセルを変更できなくする仕組みなので、入力欄のロックだけ外しておきます。
- シート保護がかかっていれば、いったん解除する
- 入力してもらうセル範囲を選ぶ
- Ctrl+1で「セルの書式設定」→「保護」タブを開く
- 「ロック」のチェックを外してOKを押す
- 「校閲」タブ→「シートの保護」で保護をかけ直す
保護をかけ直すと、ロックを外したセルにだけ入力できる表になります。Tabキーを押すと、入力できるセルの間だけを移動するのも便利なところです。
「この範囲は経理だけが直せる」のように、範囲ごとにパスワードを分ける設定もあります。「校閲」タブの「範囲の編集を許可」から、範囲とパスワードを登録してから保護をかける流れです。
Microsoft サポート「保護されたワークシートで特定の範囲をロックまたはロック解除する」によると、パスワードではなく特定のユーザーに許可する方法は、パソコンがドメインに参加していることが条件です。
保護をかけ直すときに決めておくこと
保護をかけ直すときは、パスワードの有無と、保護したまま許可する操作を先に決めます。ここを決めずに保護すると、並べ替えやフィルターまで使えなくなり、また解除する羽目になりかねません。
| 許可する操作 | 向いている表 |
|---|---|
| ロックされたセル範囲の選択 | 値をコピーして使ってほしい表 |
| ロックされていないセル範囲の選択 | 入力欄だけ触ってほしい表 |
| 並べ替え・オートフィルターの使用 | 一覧を絞り込んで見る表 |
| 行の挿入・行の削除 | 明細の行数が毎回変わる表 |
| セルの書式設定 | 色付けなどは自由にしてよい表 |
前出の「ワークシートを保護する」にも、列や行の挿入・削除、並べ替え、オートフィルター、ピボットテーブルなど、許可できる操作の一覧が載っています。
- パスワードを付けない保護が向く:自分用・部署内で、うっかり消すのを防ぎたいだけの表
- パスワードを付ける保護が向く:配布先に数式や見出しを変えられると困る帳票
パスワードを付けるなら、ファイルとは別の場所に記録を残しておいてください。担当が替わった途端に誰も解除できなくなる、というのがこの手の表でいちばん多い困りごとです。
よくある質問
Q1:「シート保護の解除」のボタンが見当たりません
そのシートには、もともと保護がかかっていないと考えられます。保護されていないシートでは、同じ場所のボタンが「シートの保護」と表示されます。
それでも編集できないなら、ブックの保護・保護ビュー・読み取り専用のどれかです。上の見分け方の表で症状を照らし合わせてください。
Q2:保護したまま並べ替えやフィルターを使いたい
保護をかけるときの「このシートのすべてのユーザーに許可する操作」で、「並べ替え」と「オートフィルターの使用」にチェックを入れてから保護してください。
すでに保護されている表なら、一度解除してから、チェックを入れ直して保護をかけ直す手順になります。
Q3:全部のシートの保護をまとめて外せますか?
画面の操作では、シートを1枚ずつ開いて解除するしかありません。シートをまとめて選んだ状態では、シート保護の解除は使えません。
シートの枚数が多く毎月同じ作業をしているなら、そもそも入力欄のロックを外しておき、保護したまま使える表にしたほうが手間が減ります。
Q4:解除したのに、まだ入力できないセルがあります
入力規則(データの入力規則)で入れられる値が決められている場合があります。決められた値以外を入れるとエラーが出るのは、保護ではなく入力規則の働きです。
「データ」タブの「データの入力規則」を開くと、そのセルに何が設定されているか確かめられます。
Q5:パスワードなしで保護する意味はありますか?
あります。パスワードを付けない保護は、解除ボタンを押せば外れてしまいますが、うっかり数式を消す事故は防げます。
自分用の集計表や、部署内で回す表ならパスワードなしで十分なことが多いです。解除のたびにパスワードを探す手間もかかりません。
まとめ
シート保護の解除の要点
- 解除は「校閲」タブ→「シート保護の解除」。パスワードがあれば入力する
- 保護はシート1枚ごと。複数のシートは1枚ずつ解除する
- 解除できないならブックの保護・保護ビュー・読み取り専用を見分ける
- パスワードを忘れるとMicrosoftでも復元できない。作成者と元のファイルを当たる
- 何度も解除する表は、入力欄のロックを外して保護したまま使う
- エクセル プルダウンの作り方|連動リストの設定とうまくいかないときの直し方
- 条件付き書式の使い方|数式ルールと行全体に色を付ける設定
- エクセル関数の一覧|よく使う68個を分類別に引ける早見表とバージョン対応
参考にした公式情報: ワークシートを保護する/Mac でワークシートを保護する/Excel の保護とセキュリティ/ブックを保護する/保護ビューとは/保護されたワークシートで特定の範囲をロックまたはロック解除する(いずれもMicrosoft サポート・2026年9月確認)
※メニューの名称や操作手順はExcelのバージョンにより異なる場合があります。本記事はMicrosoft 365のデスクトップ版Excel(Windows)を前提に、Mac版の違いを補足した内容です。

